ランナーのためのランニング障害SOS
まつだ整形外科クリニック

アキレス腱周囲炎の症状と治療

急に運動を始めたり、久しぶりにスポーツをしたりすると、アキレス腱に沿った部分に痛みが出る事があります。

これは、「アキレス腱を包んでいる腱の膜や、その周囲の組織などが使いすぎて炎症を起している状態」です。

これを「アキレス腱周囲炎」といいます。

症状

最初は、全力で走ったり、ジャンプしたり、強く踏ん張った時だけ痛みがでることが多いようです。
しかも、初期の痛みはそれほど強くありません。

ですから、多くの方々は、ついついスポーツを続けてしまいます。
すると、次は走っているときに常に痛みがでるようになります。

さらに悪化すると、普通の歩行や、階段の上り下りでも痛みだします。
つまり、日常生活動作で痛みが出るようになってしまいます。

このとき、アキレス腱を押さえてみると。
アキレス腱自体が硬くなっており、押すと強い痛み(圧痛)を感じます。

また、腫れていることも少なくありません。
恥ずかしながら、私も経験がありますが結構痛いです(^^;

治療

では、アキレス腱周囲炎になってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
大切なポイントだけ、ガイドしましょう。

▼スポーツを休み、患部を安静に保つ!
これが、一番大切です。
安静にすると、ほとんどの方が良くなります。
安静にする期間ですが、これはその人の症状によりまちまち。
基本的な目安として、「圧痛がなくなるまで」と考えてください。

▼入浴後のマッサージ
入浴後に、ふくらはぎやアキレス腱部分を軽くマッサージするのも効果があることがあります。
これは、患部の血行をよくしたり、萎縮をとる効果があるからです。

ただし、強い痛みがある場合は、マッサージによって悪化するケースもありますので、ご注意下さい。

▼消炎鎮痛剤やシップ薬
症状が進み、軽く歩くだけでも痛みを伴う場合は、痛み止めの飲み薬(消炎鎮痛剤)を内服したり、シップ薬を使って対処します。

▼シューズ選び
仕事などで、歩く事が必要であり中々安静を保てない方はシューズを考えなくてはいけません。
通勤時などは、「ウオーキングシューズ」など、かかとの部分の厚い靴を履くことをお薦めします。

また、革靴などの場合には、中敷として衝撃緩和材などを敷いて履くの良いでしょう。

*非常に稀ですが、重症で痛みが強い場合は、2~3週間ほどギプス固定をする場合もあります。

中途半端な治療に要注意!

何でもそうですが、「中途半端な治療はダメ!」です。
安静期間が短かったり、治療が中途半端に終わってしまうと再発しやすく、それを繰り返す事によって慢性化しやすくなります。

実際に、慢性化すると治りにくくなり、患部が硬くなって瞬発的な動きでアキレス腱が断裂する危険性も高くなります。

予防

さて、予防ですが何とっても大切なのは「ウォーミングアップ」です(^^

スポーツをする前に、ふくらはぎやアキレス腱をしっかりと伸ばすなどの入念なウォーミングアップを行いましょう!
また、運動を終えるときも、軽めの体操をするなどのクーリングダウンも行ってください。

運動終了直後にアキレス腱付近のアイシングを行うと、使いすぎた部分の炎症が早く治まります。
数分(5~10分)ほどで十分に効果がありますのでぜひ、お試し下さいね。

いずれにしても、最初から飛ばしすぎない事。
徐々に、マイペースでも少しづつ運動のレベルを上げていきましょう。
     
今回のガイドは如何でしたか?
次回もお・た・の・し・み・に~

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