膝の構造
膝の構造はどうなっているの?
最近、高齢化社会に伴い膝の痛みを抱えている方が増えています。
当院でも「腰痛」「肩痛」に次いで多い疾患です。
私達の下肢には股関節(こかんせつ)と膝関節(ひざかんせつ)と足関節の3つの大きな関節があります。
中でも中心的な役割を担っているのが「膝関節」です。
では、この膝の構造はどうなっているのでしょうか?
3つの骨
ひざ関節は身体のなかで一番大きな関節です。ご存知でしたか?
その膝関節は次の3つの骨で成り立っています。
1)大腿骨(だいたいこつ) →「太もも」
2)脛骨(けいこつ) →「すね」
3)膝蓋骨(しつがいこつ) →「お皿」
つまり、大腿骨と脛骨のつなぎ目にあたるわけです。
2つのクッション
膝関節には2つのクッションがあります。
1)関節軟骨(かんせつ なんこつ)
大腿骨と脛骨、膝蓋骨と大腿骨の接触面(関節面)は関節軟骨というクッションで覆われています。
2)半月板(はんげつばん)
大腿骨と脛骨の関節面にはさらに半月板(はんげつばん)という三日月形のもう1つのクッションがあります。
これらのクッションが衝撃を吸収しているのですね。
クッションが傷むと膝の痛みはもちろん、水が溜まったり、変形が生じたりする事があります。
詳細は別の機会でガイドしましょう。
4つのひも
膝の安定性を保っているのが靭帯(じんたい)です。
1)前十字靭帯 (ぜん じゅうじ じんたい)
2)後十字靭帯 (こう じゅうじ じんたい)
3)内側側副靭帯(ないそく そくふく じんたい)
4)外側側副靭帯(がいそく そくふく じんたい)
大腿骨と脛骨の間には靭帯(じんたい)といわれるひもが4本張っていて、この靭帯によりひざ関節の前後左右の安定性が保たれています。
膝の曲げ伸ばし
私達が歩く時に、膝の曲げ伸ばしをしているのはわかりますよね。
この曲げ伸ばしの動きは「筋肉」と「腱(けん)」によって行われています。
代表的なものを紹介しましょう。
伸ばす働き:大腿四頭筋(だいたいしとうきん)や膝蓋腱(しつがいけん)
曲げる働き:膝屈筋(ひざくっきん)
筋肉と腱が上手く作用しているんですね。
滑らかな動き
さて、膝の関節は非常に滑らかに動いています。
なぜ可能なのだと思いますか?
実は膝関節全体は袋に包まれています。ここに秘密があるのですね。
この袋を関節包(かんせつほう)といいます。
この関節包を裏打ちしているのが滑膜(かつまく)という薄い膜です。
この滑膜が水。つまりは関節液(かんせつえき)をつくり、滑らかな動きや関節軟骨の栄養に大切な役割を果たしています。
溜まりすぎると困る水(関節液)にも大切な役割があるのです。
今週のガイドはこれでおしまいです。
次回は膝の機能や関節の特徴についてもう少し詳しくガイドしましょう。
今シリーズの「膝の荒野」編はぜひ欠かさずお読み下さい。
教科書には書いていない素朴な疑問Q&Aシリーズも特集で組む予定です。
お・た・の・し・み・に~