肩の脱臼 Q&A
さて、先週から「不安定な肩の森」に入ってきました。
その代名詞ともいえるのが「脱臼」です。
今週は肩の脱臼について読者のみなさんからの質問にお答えします。
肩の脱臼「Q&A」シリーズです。はじまりぃ~ ♪
Q.肩の脱臼って「クセ」になるの?
A.もっとも多かった質問です。ずばり!「クセ」になります。
医学的にはクセになったものを反復性(はんぷくせい)肩関節脱臼といいます。
10代で初めて脱臼すると70~80%でクセになると言われています。
若きスノーボーダーは気をつけましょう!
Q.「クセ」になるってどういうこと?
A.では、どうして一度脱臼するとクセになるのでしょうか。
ほとんどの例で初回の脱臼の際に、肩関節の肩甲骨側と上腕骨側に傷が
ついてしまいます。つまり、「脱臼の道」がついてしまうのですね。
一度道ができると次は何でも簡単ですよね。2回目以降はその「脱臼の道」
によって起こります.そして… くせになるわけです。
Q.もともと、肩の関節が「ゆるい」って言われました。どういう意味?
(27歳・女性)
A.緩いのは悪い事ではありません。むしろ、スポーツ選手には有利になる
事が多いくらいです。ただ、注意する事。それは「痛み」や「不安定感」
を伴う場合です。
これを、
「肩関節多方向性不安定症」といいます。(舌をかみそうな名前ですね)。
ほとんどの場合、リハビリで腱板(けんばん)機能訓練するとよくなります。
Q.昔、横綱千代の富士は脱臼を筋肉で固めたって聞いたけどどういう意味?
(55歳・男性:相撲ファンより)
A.確かに千代の富士は筋肉隆々でしたね。でもそうする必要があったのです。
千代の富士も上腕を体から離し外に回す格好(これを外転(がいてん)といいます)
つまり、ボールを投げるような格好になると必ず脱臼してたんですね。
ですから、千代の富士はその格好にならないために、前褌(まえみつ)を
とって脇を締めたまま相撲をとれるようにしなければならなかったのです。
それで、あれだけの筋肉を必要としたのですね。
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今週のガイド「Q&Aシリーズ」は如何でしたか?
次週は脱臼の治療についてガイドしましょう。
脱臼の再発率を下げる固定法とは?
次週あきらかに。
お・た・の・し・みに!
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