外反母趾の治療
前回は、外反母趾の予防についてガイドしました。
靴選び!
これがとても大切でしたね。
でも、これで全てを予防できるわけではありません。
なぜなら、さまざまな要因が関与しているからなんです。
それでは外反母趾になってしまったら、 どのような治療をしたら良いのでしょうか?
外反母趾の特徴
外反母趾の方の足を良くみると、殆どの足が多かれ少なかれアーチの低下した「扁平足」や横幅の広い「開帳足」となっています。
ですから、このアーチ構造の破綻が外反母趾の最も大きな要因であると考えられています。
そのため、このアーチを矯正してあげることが治療において最も重要なことなんです。
保存療法(足底板)
保存療法として最も有効なのが足底板(インソール)を用いた治療法です。
足底板(インソール)を靴の中に入れ、足裏からつぶれたアーチを持ち上げます。
その結果、足の変形を矯正するわけです。
しかし、ここで大切なことがあります。
足の裏の形。これは人それぞれです。
ですから、装着するインソールもその人にあった形状にしなくてはなりません。
実際には、石膏で足の型取りをして、アーチを形成するための部位を正確に決めます。
また、タコなどがある場合は、その部に負担がかからないようにくぼみをつけたり、素材をやわらかいものに変えたりします。
つまり、「オーダーメイド」が必要になります。
*そのためには、専門の義肢装具士と足を熟知した専門医との協力が必要となってきます。
体操(Hohmann体操)
母趾にバンドを装着して、足趾の運動をする方法があります。
両母趾の付け根の部分(MP関節)にバンド(ゴム)をつけ、内反したり、外旋したりします。
この運動は、筋肉(内在筋)が硬くなったり(拘縮)を予防して、変形が増大するのを防ぐ運動です。
矯正装具
第1趾と2趾間にはさむ矯正装具もあります。
これらは関節の拘縮を予防する効果としてはある程度期待出来るかも知れません。
が、
外反母趾を矯正するまでの効果は期待できません。
したがってあくまでも「補助的な治療具」として考えた方が良さそうです。