外反母趾発症の原因
そもそも外反母趾とは、どんな状態のことを言うのでしょうか。
わかりやすく言うと、足の親指が小指側に変形し、「くの字」になる状態をいいます。
医学的には、母趾(足の親ゆび)の付け根の関節(MP関節)部分で、根元の骨(基節骨:きせつこつ)が外側に向き(外転)、甲の部分の骨(中足骨)が内反(内側に広がる)状態です。
発症の原因
では、外反母趾はどのようにして生じているのでしょうか?
大きく分けると、外的要因と内的要因の二つに分ける事が出来ます。
▼外的要因
●靴の不適合
最も大きな要因としては、「靴の不適合」があげられます。
足に合わない靴、特にハイヒールは最大の原因と考えられます。
では、もう少し細かく考えてみましょう。
ハイヒールを履くと、足の底にかかる体重は足の前の部分(前足部)に集中します。
その結果、足は横に広がり(開帳足:かいちょうそく)ます。
しかしハイヒールの先は細くなっていますよね。
そのため、母趾は付け根で“くの字”に曲げられてしまいます。
そのため、外反変形を生じるのです。
●生活習慣 ← 気をつけましょう~♪
もう一つ、外的要因としては「生活習慣」が考えられます。
現代社会では、あきらかに靴を履く時間が増えました。
↓
裸足になる時間も減ってきました。
↓
自分の足で歩く機会が減ってきました。
↓
足の筋力は、どんどん低下する傾向になってきました。
↓
アーチの消失した扁平足や、横幅の広い開帳足の増加
↓
外反母趾を生じやすい。
▼内的要因
いえいえ!私はハイヒールもきつい靴も履きません!
運動もしていますよ!
このような方には、何らかの内的要因があると考えたそうが良さそうです。
ところで…
外反母趾の男女比。
どれくらいか知っていますか?
実は、1:10です。
圧倒的に「女性に多い!」のです。
ですから、内定要因の一つとして女性が挙げられます。
なぜでしょうか。
男性より、女性の方が
・関節が柔らかいこと
・筋力が弱いこと
などが考えられます。
さて、もう一つ要因があります。
それは…
●足の形態的特長
・先天的に扁平足
・エジプト型(母趾が第2趾よりも長いタイプの足)
・母趾の付け根の関節(中足骨頭)が丸い形をした人
などが外反母趾に成りやすい足の形態と考えられています。
他にも…
●慢性関節リウマチ
●Ehlers-Danlos症候群のような全身関節弛緩を生じる疾患
などがあります。
◆遺伝について
まだ遺伝的素因については認められておりません。
が!
足の形態的特徴は親子で遺伝すると言われています。
そういう意味では、「外反母趾は遺伝しやすい」と言ってもよいのかも知れません。
ですから、親が外反母趾の人は注意する必要がありますね!