外反母趾の診断
ここでは、症状とX線(レントゲン)に大別して、外反母趾の診断についてガイドしましょう。
復習になりますが、「外反母趾」とは足の親指が小指側に変形し、「くの字」になる状態をいいます。
そして、母趾(足の親ゆび)の付け根の関節(MP関節)部分で、痛みが生じます。
さらに、進行すると。
胼胝(ベンチ;タコ)の形成
外反母趾の人の足の裏を見てみると、ときに足の人差し指の付け根や小指の付け根などに胼胝(ベンチ;タコ)が出来ている人がいます。
そして、そこに痛みが出てきます。
ワンポイントメモ【胼胝(ベンチ)】はなぜ出来る?
外反母趾のために親指で蹴り返すこと出来なくなってくると、代償性に他の指が蹴り返す役割を担うことになります。
その結果、他のゆび(特に足の人差し指や小指の付け根)に負担がかかり生じてきます。
バニオン(Bunion)
バ、バニオン?!
聞きなれない人が多いですよね。
バニオンとは、外反母趾の際に出来た滑液包炎(かつえきほうえん)の事です。
(注)滑液包炎とは、関節の滑りや動きを良くする袋のようなものです。
親指の付け根の内側に突出したところが、靴に当たるなどの刺激を受け、「バニオン(Bunion)」と言われる皮下滑液包炎を生じてしまうのです。
「はれ」や「発赤」、「疼痛」を伴うことがあります。
またその突出部に、親指に行く知覚神経(知覚を司る神経)が通っているため、その神経が圧迫されることにより親指にしびれや痛みが生じることもあります。
また足の形態異常のため筋力バランスが崩れ、歩きにくく疲れ易いといった症状も呈します。
症状も様々ですね(^^;
レントゲンから
X線(レントゲン)で診断する際に、大切なのは荷重時と非荷重時でのレントゲン撮影です。
まず、レントゲンでわれわれ整形外科医が重症度の評価として計測する角度が2つあります。
外反母趾角(HVA)
母趾(足の親ゆび)の付け根の関節(MP関節)を成している、中足骨(第一)と基節骨(きせつこつ)の角度。
一般的に、
20度未満:軽症
20度~40度:中等症
40度以上:重症
として、評価されています。
そして、もう一つ。
第1・2中足骨間角(M1/2角)
足の甲の部分の骨である、中足骨の1番と2番の骨が成す角度。
正常は6~9度であり、HVAと強い相関があるとされています。
これらで、重症度を決定して、手術の適応を決めたり、術式を決定したりします。
さて、最初の「荷重時と非荷重時のレントゲン」がなぜ大切なのか?
それは、荷重時と非荷重時を比較すると、HVAとM1/2角ともに、荷重時には増加して、変形が増強するのです!
ですから、手術的な治療が必要な方は、荷重時、非荷重時のレントゲン撮影をしてもらいましょう。
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次回は、【外反母趾(がいはんぼし)】の「予防・対策」についてガイドします。
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