グルコサミン
先週から始まった「サプリメントの真実を目指す旅」。今週は関節の痛みを
和らげるといわれている「グルコサミン」についてガイドします。
「サプリメント」という言葉を聞いたことがない方はいないでしょう。
ネットや広告を通じて、まさに情報が氾濫している時代です。
しかし、本当に効果があるのでしょうか?
効能は?
安全性は?
科学的根拠は?
作用メカニズムは?
これらについて整形外科医の眼を通じてわかりやすくガイドしていきます。
◆グルコサミンとは?
グルコサミンは魚や動物のムコ多糖類に含まれる成分で、軟骨(なんこつ)
を構成している成分の1種です。
かにやエビなどの甲殻類のキチンに多く含まれています。
グルコサミンは新しい軟骨の生成を促進し、変形関節症の進行を食い止め、
場合によって治癒に向かう効果があるとされています。
◆グルコサミンの作用メカニズム
グルコサミンはグルコサミノグリカン(ムコ多糖類)と総称される分子の
主要成分です。
これは、各組織の柔軟性や弾力性に寄与しています。
代表的なものが実際に医療現場で関節内注射に使用されるヒアルロン酸や
コンドロイチンなどです。
このグルコサミンは代表的なアミノ糖として、結合組織や「関節軟骨」に
分布しています。
これをサプリメントとして経口摂取すると、消化管から吸収され、関節軟骨
などの成分として利用されます。
◆期待される効能とは?
一般的にどのような効能が期待されるのでしょうか?
成分を考慮すると以下のような効果が考えられます。
●変形性関節症(へんけいせい かんせつしょう)や関節炎に伴う症状の
予防や改善
●関節軟骨の障害を回復させる作用
●関節軟骨の保護作用
などです。
◆安全性は?
これまでの臨床試験では、特に問題となる健康被害や副作用などの報告は
出ていません。
他のサプリメントとの相互作用も報告されておらず、併用は問題ないとされて
います。
ただ、静脈に直接に投与した研究では、糖の代謝に影響を与えるとの報告があり
ます。糖尿病で治療中の患者さんは主治医に相談した方が良いでしょう。
なお、一般的には経口摂取であれば、問題ないといわれています。
————————————————————————
残念ながら今週のガイドはここまで!
グルコサミンは効果あり!と思われている方。いやいや、嘘っぱちだ!と
思われている方。
ついに次週にその【科学的根拠】をガイドします。
2000年にアメリカで発表された「米国医師会ジャーナル」や2001年度の
世界的に有名なイギリスのジャーナルである「ランセット」に掲載された論文
などの内容を紹介します。
なかなか手に入れられない情報が満載です。
ぜひ、お見逃しなく。
お・た・の・し・み・に~