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まつだ整形外科クリニック

腰痛疾患の治療 後編

腰痛疾患の治療  2004/11/8
       
 □■Dr.フー「腰痛疾患の治療」をガイドする♪~後編~
 
 ◆今週は後編です。好評(?)につきQ&A方式で行いますね。
  患者さんと私の会話から、どの疾患についての治療か考えて下さいね。
  当てはまる疾患を以下の4つから選んで下さいね。
  (注)Vol.17をお読み頂くとわかりやすいですよ。
  
  (1)腰部脊柱管狭窄症(ようぶ せきちゅうかん きょうさく しょう)
  (2)骨粗鬆症(こつ そ しょう しょう)
  (3)腰椎分離症(ようつい ぶんり しょう)
  (4)腰椎椎間関節症(ようつい ついかんかんせつ しょう)
 ———————————————–
 Q1.痛みと相談しながら!
 (J君):先生!何とか来週のサッカーの試合出れませんかぁ?
      大事な試合なんですよ。
 (フー):そうだね。気持ちは良くわかるけど。無理は禁物だよ。
      焦らないで!しっかり治療すれば治るからね。
      (以下、一般的な説明)
       
  
  ◆この疾患の正確な原因はまだわかっていません。ただ、最も有力なの
  はスポーツなどで(J君の場合はサッカーですね)繰り返し腰の骨に
  ストレスがかかって起る疲労骨折という考えです。
  多くの場合はコルセットやベルトで固定し、腰に負担をかけないように
  します。また、ストレッチなどで腹筋や背筋などの強化を行う事もあり
  ます。
  焦るがために、無理なスポーツ復帰は危険です。
  あくまでも、痛みと相談しながら治療を続ける事が大事ですね。
  
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 Q2.腰の姿勢が大事です。
 (Hさん):先生。主人は痩せろ痩せろってうるさいんですよ。
       やっぱり太りすぎも原因なんですかねぇ。
 (フー):(笑)もちろん、太りすぎは良くないですけど、無理に痩せる
     必要はないですよ。それより大事なことがあるんですよ。
     それは腰の姿勢なんです。
      
  
  ◆この疾患は加齢による椎間板(ついかんばん)の変性も原因ですが、
  背ぼねを後ろに反らしたり、腰椎の前湾(腰が前に反る)が強いと
  負担がかかり痛みを起こします。
  そのためには、腰の姿勢が大事なんですね。
  まず、痛みの出る姿勢。つまり、腰の前方凸のカーブを小さくする姿勢
  をとる事が大切です。
  誰でも出来る簡単な運動を紹介しますね。
  1.まず、膝を曲げて仰向けに寝ましょう。
  2.次に、腹筋に力を入れて、腰の後ろが床につくように(隙間をなく
    すように)してみましょう。
  3.ピッタリとつけて10数えて下さい。そして力を抜きましょう。
    
    これを何回か続けてみて下さいね。
  一般的には「良い姿勢を保つ」運動と理学療法で保存的に治療します。
  痛みの強いときには鎮痛剤の内服や、直接、関節に注射をする事も
  あります。
  そうそう、太っている方にはハイヒールは良くありません。
  バランスを取るために腰が反ってしまいますよ。
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 Q3.適度な運動とバランスの良い食事が大事です!
 (Sさん):もう年だから…。治療法なんてないですよね。
       周りからは腰が曲がったね。とか背が低くなったね。なんて 
       言われるんですよね。
       (Sさんはちょっぴり寂しそうです)
 (フー):Sさん!元気出して!
      そんなにがっかりしないで下さいね。
    痛みが落ち着いたら少し体を動かしましょうね。
    散歩でいいんですよ。今日なんて天気も良いし、散歩日和ですよ!
    体を動かして、バランスの良い食事をして。さあ、頑張りましょう!
   
   
   ◆60歳台の女性の約半数、80歳以上では約8割の方がこの疾患である
   と報告もされています。
   
   女性に圧倒的に多い疾患です。女性は閉経を迎える時期になると骨量が
   急激に減ってくるからです。
   弱くなった骨がつぶれてしまう圧迫骨折(あっぱくこっせつ)が起きた
   場合はしばらくの安静が必要になります。
   しかし….。
   ここからが重要です。
   痛みがとれてきたら、早い時期から痛みのない範囲で動く事が大切です。
   痛い!イタイ!と寝てばかりいると、骨はもちろん、筋力も落ちてしまい
   ます。高齢者になると、1日寝たきりの状態で筋肉の約2~3%が落ちて
   しまいます。3週間で50%です。怖いですね。
   そして、カルシウムの摂取です。ただし、あくまでもバランスの良い食事
   を心がけましょう。
   理想的な治療は、「適度な運動」と「バランスの良い食事」です。
   薬剤を使う事もあります。これはまた別の機会にガイドしますね。
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 Q4.手術が必要になることも….。
  「Nさん」:もう農業は無理かなぁ。息子は手伝わんし、困ったな。
        先生。足切らんとだめかね。
  
  「フー」: (MRIの写真をみて。)
       Nさん。神経が圧迫されていますね。これでは辛いでしょうね。
       神経も悲鳴をあげていますよ。
       治療方針について少し相談しましょうね。
  ◆治療方針は患者さんの「困り具合」で決めていきます。
  「どの程度困っているのか?」これが決めてになるんですね。
  その方の年齢・職業・趣味によっても変わってきます。
  ここでは、一般的な話をしますね。
  まずは、保存的治療を試みます。
  コルセット:腰椎の前湾をへらすために使用する事があります。
  
  薬剤:消炎鎮痛剤や血管を広げるためのプロスタグランジン製剤の内服
  ブロック注射:硬膜外(こうまくがい)というスペースに鎮痛剤を注入
  などなどです。
  これでも症状が改善しない場合。
  特に、筋力の低下(麻痺の症状)や頻尿、残尿感、会陰部のしびれなどの
  膀胱直腸障害(ぼうこう ちょくちょう しょうがい)が生じている場合は
  手術が必要になる事が多くなります。
  いずれにしても、よーく医師と相談する事が大切ですね。
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  正解は…
Q1.-(3)腰椎分離症(ようつい ぶんり しょう)
  Q2.-(4)腰椎椎間関節症(ようつい ついかんかんせつ しょう)
Q3.-(2)骨粗鬆症(こつ そ しょう しょう)
  Q4.-(1)腰部脊柱管狭窄症(ようぶ せきちゅうかん きょうさく しょう)
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  ◆注意 典型的な具体例を挙げただけですので、必ずしも全ての方に
      当てはまる訳ではありません。ご了承下さいね。
  みなさん。いかがでしたか?
  おわかりになりましたか?
  
さて、来週は「腰痛に関する素朴なギモン」Q&Aをお届けします。
           お・た・の・し・み・に!….. ♪
  ★注意、免責事項について
 ■□医療相談は行っていません。治療中の方は主治医の方にご相談下さい。
 ■□記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。

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