ランナーのためのランニング障害SOS
まつだ整形外科クリニック

腰椎のしくみ

◆~第1章~ 「腰は体の要(かなめ)?」
私たちが使っている「腰」という漢字。これは腰が体の要であることを
示しているんです。もともと、つくりに当たる「要」の字は中央に人間の頭、
下部は女性のウエストが細いのを意味して「女」の字を配したそうです。
イメージ湧きましたか?

「腰が重い、軽い」・「腰抜け」・「逃げ腰」・「話の腰を折る」
日常会話でも良く使われていますね。
「必要」・「要求」・「要領を得る」などは
重要な意味で使われています。
まさに「腰は体の要」なんです。

◆~第2章~ 「腰椎(ようつい)ってどこ?」
腰はどこを指しているのでしょうか? ウエストのくびれている部分
でしょうか?
それとも、お尻の部分まで腰なんでしょうか?

整形外科では、英語で背中の痛みを「back pain」。
腰痛のことを「low back pain」と言います。
つまり、腰痛は背中の下の方の痛みという表現をしています。
腰の範囲はかなりあいまいなんですね。
実際、腰痛もかなり広い範囲で使われています。

◆~第3章~ 「腰椎の構造」
私たちの背骨は、前後にバランスの良い3つのカーブをとっていましたよね。
そうです。なんどもガイドしてきました「S字型」のカーブです。

首の部分では前方に、背中の部分では後方に、腰のところでは前方に凸型の
カーブになっていて「S字型」をつくっています。
腰椎は5個の脊椎の骨から成っています。1個・1個の脊椎の骨は複雑な形です。
まず、前の方には円柱の形をした「椎体」という骨があります。そして「椎体」と
「椎体」の間にあるのが「椎間板(ついかんばん)」です。
後ろには骨のでっぱりがあります。背中の真ん中を指でなぞってみてください。
ゴツゴツした骨の突起を触れませんか?これが「棘突起(きょくとっき)」と
呼ばれる骨なんです。

◆~第4章~ 「椎間板(ついかんばん)」はゴム風船?
「椎間板(ついかんばん)」。この言葉は良く耳にするのではないでしょうか?
「椎間板ヘルニア」で馴染み深いですよね。
では、いったいどんな構造なのでしょうか?
椎間板は「椎体と椎体の間」にあって背骨全体の高さの約20~30%を
占めています。

そして、椎体に接している椎間板の上と下の部分は「終板(しゅうばん)」
と呼ばれ、そこには「硝子軟骨(しょうしなんこつ)」と呼ばれる軟骨があって
境を作ってるんです。
少々専門的になってしまいましたね。

わかりやすくガイドしましょう。
椎間板は、「厚い壁を持った弾力性のあるゴム風船」のようなものなんです。
そして中には水分を多く含んだ「芯」が詰まっているんです。
そうです。椎間板は「背骨のクッションの役割」を果たしているんですね。

◆~第5章~ 「椎間板の中身」
椎間板の壁は「繊維輪(せんいりん)」と呼ばれ、コラーゲン繊維の束による
シートが同心円状に重なって出来ています。
そして、その中身が「髄核(ずいかく)」です。髄核には「プロテオグリカン」
が大量に含まれており、これは水分を吸着する機能を持っています。
髄核は70~90%の水分を含んでおり、これが「クッション」の役割を
果たしているんです。
「椎間板が傷んでいますね。」と病院で言われた方もおられるのではないでしょうか?

実は、椎間板の中身の髄核。この水分は幼児期がもっとも高く、
年齢が進むにつれて減っていきます。
したがって、個人差はありますが、少しづつ椎間板のクッション作用は
衰えていくんですね。
でもご心配なく。椎間板が傷んでも必ずしも腰痛の原因にはなりません。
では、腰痛はなぜ起こるのでしょうか?
どんな人に多いのでしょうか? 遺伝はするのでしょうか?

このつづきは来週です。
お・た・の・し・み・に!….. ♪

【「1日3分!知恵のなる木:Q&A」のお知らせ】
「お・し・ら・せ!」
◆「整形外科・スポーツ・リハビリ」に関連する医者には聞けない
「素朴な疑問・質問」を受け付けています。
たとえば…
1)どうして水がたまるの?
2)水を抜くとくせになる?
3)椎間板ヘルニアは遺伝するの?
….などなど

そこには意外な「ウソと常識」がありそうです。
今まで、100問以上の質問を頂きました。
これからもドシドシメール下さいね。

「1日3分!知恵のなる木:Q&A」の配信に向けて準備中です。
【コンシェルジュ:医療にも登場!】
「診察されるまで、2時間も待った!」とか
「診察時間がたったの1分だった!」。
医療機関に対する不満は尽きません….。
広々とした待合室にはゆったりとしたソファーが置かれ、コーヒーと軽食が
提供されている。待ち時間は殆ど無く、予約を依頼した当日か翌日には医師に
診察してもらえる。
羨ましい光景ですね。
アメリカは東部ボストンにあるタフト・ニューイングランド医療センターには
こんな光景が実際ひろがっているそうです。
「コンシェルジュ」とはホテルの宿泊者に対するさまざまなサービスの事です。

これが、病院にも取り入れられた「医療コンシェルジュ」。
昨年から全米のいくつかの病院に導入されているそうです。
患者さんからの不満は確かに減りそうですね。
昨年設立された、全米コンシェルジュ医師協会(ASCP)によると
このサービスは年間1800ドル(約20万円)かかるそうです。
このため、「医療の差別化」との非難の声が上がっているそうです。
その一方で、アメリカは「選択する自由」を認める国。
一ランク上の医療サービスを求めて、確実に支持を広げているそうです。
皆様はどう思われますか?

★注意、免責事項について
■医療相談は行っていません。治療中に方は主治医の方にご相談下さい。
■記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。

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