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まつだ整形外科クリニック

手術療法とは? その2

手術療法とは? その2

変形性膝関節症の「膝の痛み」に対する治療法の一つに「手術療法」があります。

先週はその一つである
●高位脛骨骨切り術(こうい けいこつ こつきりじゅつ)をガイドしました。

ただ、この手術法にはデメリットがあります。
術後に固定期間を要するので、早期に痛みをとり、社会復帰する事は出来ません。
ある程度の時間が必要となります。
そこで、今週はこれらのデメリットを克服できる手術法をガイドしましょう。

●人工膝関節置換術 (じんこう ひざかんせつ ちかんじゅつ)
この手術は私が専門にしているものです。私は海外で学会発表したり、英語論文
を書いたりしていますが、ほとんどこれに関連した内容です。

ですから、詳しくガイドしようと思えば大変な量になってしまいます(^^;
ただ、みなさんに必要なのは本当に大切な「キモの部分」だけです。
ぜひ、みなさんに知って頂きたい!そんな内容だけガイドする事にします(^^

■そもそも人工膝関節置換術って?
まさに読んで字の如く。膝関節(の一部)を人工のものに置き換える手術です。
変形性膝関節症の方は、関節軟骨が傷んできます。その結果、著しい痛みや変形、
機能障害を生じてしまいます。

そこでこの手術は、傷んだ関節軟骨を切除してそこに金属などの人工物をかぶせ、
変形した骨を切除して矯正します。
一般的には、太ももの大腿骨とすねの骨である脛骨(けいこつ)の傷んだ軟骨部分
を、人工物の形状に合わせて切ります。そして人工物に置換します。
症例によっては膝のお皿の骨(膝蓋骨)も置換します。

ちなみに、関節置換といっても膝関節そのものを入れ替えるわけではありません。
虫歯の治療でいえば、入れ歯にするのではなく、金歯をかぶせた状態をイメージ
して下さいね(^^

■人工膝関節の材料は?
一般的にはコバルト合金やチタンなどが使われています。
また、セラミックを用いたものもあります。

■人工膝関節置換術の長所は?
高位脛骨骨切り術と比較すると次のようなメリットがあります。
○ 高い除痛効果がある
○ 手術後早期から荷重ができる
○ 入院期間が短い
○ 高度な変形にも対応できる

■人工関節の寿命って?
手術手技の進歩や、改良が重ねられた人工物の開発によって耐用年数は徐々に
伸びています。
最近の論文では、「25年以上」の長期成績も報告されています。
しっかりとした手術がされていれば、少なくとも20年以上は問題ないと
思われます。

■手術時間は?
患者さんや、術者によってかなり差が出てきます。
一般的には1~2時間でしょう。経験のある術者やスタッフを揃えている施設では
より短時間で正確な手術が可能となります。
ちなみに当院では殆ど1時間以内で終わります(^^

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さて、これだけ優れている人工膝関節置換術にも欠点はあります。
次回はこの問題についてガイドしていきましょう♪
今週のガイドは如何でしたか?
本には載ってないような「痒いところに手が届くガイド」を心がけています。
来週も お・た・の・し・み・に~

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