埼玉県熊谷市の整形外科医 松田 芳和 が複雑な体の仕組みや動きを分かりやすく解説いたします。
少しでも痛みの緩和や病気の予防につながれば幸いです。
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頚椎の病気・疾患

2007年3月10日

【其の5】頚椎の病気・疾患

▼はじめに:
頚椎の病気・疾患といってもたくさんあります。全部ガイドする
のはとても大変!そこで、みなさまに比較的、遭遇することの多い
ものを選んでガイドします。

わかりやすいように「例」をあげながら。。。

<例1> 48 才、女性、事務職
以前より、肩こりに悩まされています。仕事は事務職ですが、
それほどパソコンは使いません。最近、唯一の趣味だったテニスを
すると夜間は首から肩、肩甲部まで痛く、少々不眠気味です。。。
鍼やお灸をすると少し楽になる気もしますが。。。最近、頭も痛く
なることが多くなりました。。。

レントゲンを見ると、S字カーブは消失。いわゆる逆S字カーブに
なっています。骨には「骨棘」(こつきょく)と呼ばれるいわゆる
「とげじょう」の骨の突起が出来ています。

▼病名:「変形性頚椎症」
これは、首の病気でもっとも多くみられます。多くが、「年齢的な老化」
が原因で、骨に骨棘というものができ、それが神経を圧迫するために
起こるんですね。
年齢的な老化といわれるとがっかりしてしまいますね。ただ、決して
老化だけではなく、その方の「生活様式」や仕事の状況にもよります。
レントゲンでは、骨棘以外にも椎間板が狭くなっている事が多く
みられます。先週ガイドした「椎間板」や「椎間関節」が変性を起し、
その結果、骨棘が出来ると考えられています。うーん。少し難しいですね。

▼さまざまな症状
症状は、肩こり、頭痛、首、肩甲部痛、頚椎の運動制限、しびれなどが
一般的ですが、頑固な頭痛やめまいなどを起すこともあります。
そのため、頚椎の病気とは考えられずに、脳、耳、内臓、婦人科疾患と
考えられて、随分と回り道をして来られる方も少なくありません。
本当にかわいそうな現実です。
  
一般の方はもちろん、医療関係者にも以外に知られていないのですね。

<例2> 28歳、男性、営業職
連日、外回り、会社に戻ってからの残務処理などですっかり
疲れきっているようです。肩ころがひどく、夜遅くまで診てくれる
マッサージへ頻繁に通うようになりました。
雑誌で読んだ肩こり体操をしたところ、首から背中にかけて「電気」
が走るような激痛が生じました。
友人の紹介などで、いくつかの病院をまわりましたが、薬を飲んでも
良くなりません。ある日「牽引」をしたら痛みがさらに強くなって
しまいました。。。

▼病名:「頚椎椎間板ヘルニア」
「ヘルニア」って腰だけじゃないの?なんて声が聞こえてきそうです。
確かにヘルニアは腰にもっとも多い病気ですが、もちろん「頚椎」にも
そして稀ではありますが「胸椎」にもあるんですよ。
ヘルニアは無理な力が加わり、椎間板が飛び出して、神経を圧迫する
ために起こります。「強い痛み」が特徴です。
痛みの場所はさまざまです。首であったり、肩、肩甲部、腕から指先
まで。簡単な外傷がきっかけで起こりますが、殆どの方は自覚していない
ようです。

<例3> 22歳、女性、事務職
毎日、パソコンとにらめっこです。多いときは一日12時間以上
パソコンに向かっている日もあるそうです。
半年前から、「めまい」や「ふらつき」が生じるようになりました。
脳外科や耳鼻科、婦人科にも通いましたが、まったく異常は
みつかりません。でも、症状はひどくなるばかりです。最近、夜も
ぐっすり眠れません。。。

▼病名:「頸・肩・腕症候群」「頚椎不安定症」
レントゲンをみますと、骨棘は見られず、椎間板も正常のようです。
S字カーブはやや消失しており、ストレートでした。
頚椎を前・後屈すると症状が悪化するので、機能的レントゲンを撮ると
4番目と5番目で不安定性がみられます。また、屈曲すると
逆S字カーブを呈しました。
実は頚椎の骨の中を大事な血管が走っているんです。この血管は
「椎骨動脈」とよばれるもので、脳、つまり頭へ通っています。
そのため、頚椎に不安定性があると、脳にいく血流が障害され
「めまい」や「ふらつき」が生じてしまいます。
パソコンを長くやっていると、頚椎は屈曲しますよね。そのため、
不安定な状況が起こりやすいのです。

<例4> 68歳、女性、無職(定年前は学校の先生)
若いころより、腰痛や肩こりがあり整形外科や接骨院、マッサージへ
通院していたようです。
2年前より、右手のしびれと脱力、昨年からは左手にも症状が
でてきました。
薬を飲んだり、マッサージを受けたりしていましたが、症状は進行。
最近は階段をうまく下りられなくなり、大好きだった車の運転も
できなくなりました。
食事も楽しくありません。箸はうまく使えず、よくこぼすように
なりました。服のボタンもうまくかけれません。。。

▼病名:「頚椎脊柱管狭窄症」
ほとんどの場合、「変形性頚椎症」をともなっています。
これは、「脊髄」がはしっている骨のトンネルである「脊柱管」が狭くなり
脊髄を圧迫してしまうために生じます。

===生まれつき?===
じつは脊髄のスペース、サイズは決まっているんです。もともと
「脊柱管」の狭い方がいるんですね。外来でも時折みかけますので
その際には必ずお話をしています。
ただ、骨以外、つまり靭帯などが老化や他の要因によって脊柱管を
狭くしてこのような症状がおこります。
  
さて、4つの例をあげました。心当たりのある読者の方もいるのでは
ないでしょうか? では実際に治療はどうしたらよいのでしょうか?
来週は「治療」についてガイドしましょうね。

読者のみなさまから「肩こり」についてのガイド希望
がありました。もう少しお待ち下さいね。
少し時間をかけてガイドする予定にしています

==Dr.フーの「知恵のなる木」Q&A == も配信にむけて準備中です。
みなさんが日頃感じる素朴な疑問などなかなか医者には聞けないないような
質問でも結構です。以外な医学の常識とウソがあるかもしれません。
みなさまからのメールをお待ちしています。

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■医療相談は行っていません。治療中に方は主治医の方にご相談下さい。
■記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。




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