埼玉県熊谷市の整形外科医 松田 芳和 が複雑な体の仕組みや動きを分かりやすく解説いたします。
少しでも痛みの緩和や病気の予防につながれば幸いです。
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頚椎疾患の治療をガイドする

2007年3月10日

【其の6】頚椎疾患の治療

▼はじめに:
先週は4つのケースをあげて、代表的な疾患をガイドしました。
では、治療はどうするの? 誰もが思う素朴な疑問ですよね。

今週はそんな疑問に答える形で一般的な治療について、また
その考え方についてもガイドしましょうね。

<治療の考え方>
一般的に病院で行われる治療方法は大きく分けて3つあります。

★外来で行う方法
外来・リハビリでの治療が中心となります。多くの方はこの治療
で軽快することが多いですね。

★入院で行う治療 (手術が必要とならない場合)
外来での治療では症状の改善が望めない場合に行います。
安静やブロック注射、鎮痛剤の内服、注射などが中心になります。

★手術療法
いわゆる、保存的治療で改善が得られない場合、もしくは保存的
治療では改善が期待できない場合に行います。

<外来で行う治療>
症状の軽い方は外来での治療で十分です。
まずは、「首に優しい!首にいい!」生活を心がける事ですね。
今までもガイドして来ましたが、
「下を向いてやる仕事」や
「パソコンなど首を曲げる(屈曲)事が多い仕事」
は首には優しくありません。出来るだけ、少ない時間にしましょう。

一般的にはリハビリが中心となります。代表的なのは
「牽引」と「装具」による治療です。
  
「牽引」
牽引は個人差もありますが、週に2-3回、
1から3ヶ月で改善することが多いようです。
ただし、注意も必要です。
症状の強い場合は牽引は逆効果になることがあります。
また、誰にでも効果がでるわけではありません。
症状の変化が見られない場合は主治医に相談してみましょうね。

「装具」
装具は「頚椎カラー」や「フレーム型」が多く使用されています。
このような装具は1日に2-3回にわけて使用するのが良いでしょう。
1日2時間ほどが目安でしょうか。1回での使用時間は20-30分くらいが
いいと思います。もちろん、個人差がありますが、かなり痛みの強い
方で楽になることが多いです。

<入院で行う治療> (手術が必要とならない場合)
外来での治療では改善しない方は
すぐに手術が必要なのでしょうか?

答えはNo!です。
外来治療で改善しない方の意外と多くの方が、日常生活で
「首に悪い姿勢」をとっています。

○忙しくて仕事が休めない。
○睡眠不足である。
○連日の残業でリハビリにも通えない。

心当たりのある方は多いのではないでしょうか?
入院して体を休ませる。首に悪い姿勢をとらない。
これだけでも、症状がずっと軽くなる方が多くみられます。
もちろん、併用して、
鎮痛剤の内服・注射。時にはブロック注射を行う事もあります。

<手術治療>
最初にフーから一言!
「基本的には例外を除いて、手術治療は避けるべし」
みなさまにとっても、われわれ医者にとっても
手術治療は避けたいものです。
じっさい、多くの方は手術は必要としません。
する必要はありません。

しかし、どうしても必要な場合があります。これからガイドする
症状が出ている場合、もしくは強く疑われる場合は手術を勧めます。

◎膀胱直腸障害
これは、残尿管として自覚することが多いです。
●一度の排尿で十分な尿が出ない。
●頻尿である(頻繁にトイレに行く)

男性の場合は前立腺、女性では膀胱炎でも起こりますが、
頚椎疾患が原因である場合は症状が進行している状態です。

◎下肢の症状
足の運動に影響が出てきます。
●階段歩行がしずらい
●暗い場所で歩行ができない
●ふらつく
●歩いていて急に止まれない
などの症状が多くみられます。
以上の症状が出ている場合は手術が必要になることが多いです。

○上肢の症状
●字が上手く書けない
●ボタンがとめられない
●箸がうまく使えない
上肢の症状が出ている方も、手術が必要になることがあります。
とくに、仕事で細かい作業が必要な方には必要かもしれません。

<注意>
さきにガイドした症状があっても必ず手術というわけではありません。
その方の
○年齢・生活背景
なども影響を与えますし、
○症状の程度「臨床症状」
にもよります。そして何より大事なことは
「臨床症状」とレントゲンやCT・MRIなどの「画像診断」
が一致することによって
はじめて、手術によって治せる可能性があるのです。
よく、主治医の先生に説明していただくのがよいでしょう。

さて、駆け足で頚椎の難所を駆け抜けてきました。
    
いよいよ来週は皆様からガイド希望のあった
「肩こり」についてガイドします。
日本人の大敵といわれる「肩こり」
すこし時間をかけてガイドします。
お・た・の・し・み・に!     

お知らせ
Dr.フーの「知恵のなる木」Q&A も配信にむけて準備中です。
みなさんが日頃感じる素朴な疑問などなかなか医者には聞けないないような
質問でも結構です。以外な医学の常識とウソがあるかもしれません。
みなさまからのメールをお待ちしています。

注意、免責事項について
■医療相談は行っていません。治療中に方は主治医の方にご相談下さい。
■記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。




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頚椎をガイドする No.2

2007年3月10日

【其の3】日常生活と首のかかわり

<頚椎S字カーブの消失>
人類の進化とともに、文明も大きな進化を遂げました。
体格は大きくなり、寿命も延びました。
しかし、現代社会において便利な生活が手に入る一方、
姿勢は悪くなり、筋力は低下してきています。
最近では、S字カーブが消失し、逆のCカーブ(後湾)を
呈している若い人が多くなっています。
体の変化や生活の変化に首が対応しきれない状況なのかもしれません。

<パソコン病?>
もちろん、パソコン病とは正式な医学用語ではありません。
しかし、多くの家庭に普及し、今や欠かせないパソコン。
これが、首の障害を起こす事は決して少なくありません。
どうしてでしょうか?

人間の骨格は首から背中、腰へとS字カーブを描いていましたよね。
そのバランスで頭を支えているのですが、
首を前に曲げるとそのバランスは崩れてしまいます。

つまり、下を向いて、前かがみになる事の多いパソコンは
あまり首にはよくありません。
特に、小さなノート型パソコンを長時間使用する方は気をつけましょう。
ちなみにフーもその一人。
どうしてもパソコンに向かう時間が長くなってしまいます。
休憩時間をとったり、画面の大きいデスクトップ型に
変えたりなどの工夫が必要ですね。

<スポーツと首>
スポーツで汗を流すのは気持ちがいい事です。体にも心にも大切な事ですよね。
しかし、首には注意が必要なスポーツが幾つかあります。
首を過度に曲げたり伸ばしたりする力が加わると、
「脊柱管」という骨のトンネルの中にある「脊髄」を損傷する事があります。
「脊髄」は手・足を動かす大事な神経ですから、
これを傷めると大変なことになります。

▼スノーボード
近年、若者に人気のウィンタースポーツですよね。
中高年の方も増えてきました。
ワンメイクやハーフパイプといった高所からの落下での事故が多いのが特徴です。

フーは数年前に豪雪地帯の病院に勤務していた事があります。
11月から連休明けまで、スノーボードが楽しめるスキー場が近かったため、
多くの外傷患者さんを診る機会がありました。中には脊髄損傷のような
重症の方もおられました。
外傷予防の啓蒙の目的で、当時の病院で3年間で
約1000例の外傷をまとめ論文にしてあります。

もちろん、正しいマナーと、無謀なジャンプをしない事で多くは防げます。
ちなみにフーはスキー派。ボードはやりません。

▼ラグビー・アメフトなど
やはり何といってもスクラム・タックルで多いのが特徴です。

▼格闘技(ボクシング・柔道・K-1など)
あの格闘家でK-1選手の武田幸三選手もフーのメルマガを読んで
頂いています。感謝です*

▼水泳の飛び込み
水面で受ける衝撃は相当です。
毎年、飛び込みで頚髄損傷の方が報告されています。
注意しましょう!

▼ゴルフ
以外に思う方もおられるかもしれません。
比較的、下半身に対して上半身の筋力が強い方に多いようです。
前かがみの状態で、上半身だけでスウィングをすると首に多いな負担がかかります。
実際、ゴルフの練習のやり過ぎで、頚椎の疲労骨折を生じた患者さんもいます。
何でもやりすぎはダメですね。




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