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まつだ整形外科クリニック

人工膝関節置換術のデメリット

手術療法とは? その2 人工膝関節置換術のデメリット

先週は人工膝関節置換術(じんこう ひざかんせつ ちかんじゅつ)について
その特徴やメリットについてガイドしました。

変形性膝関節症などで、膝の痛みを抱えている人に対する手術治療法として
○ 高い除痛効果がある
○ 手術後早期から荷重ができる
○ 入院期間が短い
○ 高度な変形にも対応できる
というメリットを持つ素晴らしい手術です。

当院でもすでに数百例の手術を行っていますが、みなさんが元気になり、
多くの方々に感謝されています。

本当に素晴らしい手術といえるでしょう。
でも、デメリットが全く無いわけではありません。そこで、今週はこの手術の
デメリットについてわかりやすくガイドしていきます。
いくつかありますが、なかでも特に重要なデメリット(合併症を含む)について
2つの問題点をガイドしましょう~。

●ゼロには出来ないリスクとは?
私たちがどんなに注意を払い、最高の技術と知識を持って手術をしても
合併症をゼロにすることは出来ません(–;

手術にはリスクはつきものなんですね(^^;

■感染(かんせん)
術後、ばい菌に負けてしまい、化膿してしまうことがあります。ひどい場合は
人工関節を抜去しなくてはいけないケースもあります。
術後早期に生じてしまう場合と、数年してから起こる場合とがあります。
いずれも、創部の痛みを感じたり、赤くなって熱を持ってきたり、時には
膿が出たりします。

■感染する割合
では、一体どの程度の割合で感染は生じてしまうのでしょうか?
現在までに報告されている論文のデータによると、だいたい1~2%くらいと
考えて良いでしょう。
100名の方を手術すると一人か二人は感染する可能性があるという訳です(–;
ただ、抵抗力の無い方や糖尿病などの基礎疾患を持っている方はそのリスクが
高くなります。

特に全身状態に問題の無い方は、1%以下と考えて良いでしょう。
私たちはリスクゼロに向けて、日々努力しています(^^

■日常生活での予防
日常生活においてチョッと気をつけるだけで、ある程度の予防は可能です。
体力が落ちている状態(風邪を引いたり、何かの病気を患っている)では、
体内において細菌の感染を起しやすくなっています。
まずは、そのような状態にならないようにしましょう~。
そして以下の点に気をつけてきましょう。
・むし歯
・水虫
・足のけが
・ふか爪

これらに注意して、体内での細菌感染が起こらないようにしましょう。

■人工関節のゆるみや磨耗(まもう)
人工関節を使用していると、自然にゆるんだり、破損したり、磨耗(まもう)する
(すり減る)場合があります。
ゆるみは、人工関節の固定性が悪くなってずれてしまうことです。
正確な手術をする事によって、そのリスクを低くする事は出来ますが、それでも
ゼロにするのはとても難しいのです。

■そもそも磨耗(すり減ってしまう)とはどこに生じるの?
手術をする事によって、痛みもとれ、日常生活上での動作はスムーズになり、
その質も向上します。
その際に、人工関節を構成している金属面とプラスチティック面には常に
負担(ストレス)がかかります。
実は、磨耗は主に人工関節を構成するプラスティックの部分に見られます。

■磨耗の恐怖?
少しくらいすり減っても。。。なんて思われるかもしれませんが、この磨耗が
続くと再手術を余儀なくされる事があります。
人工関節が少しずつすり減ると、磨耗粉(まもうふん)という「粉」が生じます。
実は、この磨耗粉(まもうふん)が時に大変悪い事をします。

何と、周辺の骨を溶かしてしまう事があります。この場合、進行してしまうと
再手術を行わないといけません(–
たかが「粉」、されど「粉」です。
手術後が順調であっても、日常の生活を続けていくなかで、痛みなどの問題が
なくても、定期的に受診を続けた方が良いでしょう。

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今週のガイドは如何でしたか?
人工関節置換術が恐ろしく感じてしまった方もいるのでは。。。
どんな手術でもリスクはゼロではありません。この手術は長年、痛みで苦しんで
いる方から「痛みを解放」する事が可能になる素晴らしい手術です。
その結果、海外旅行にいったり、テニスやゴルフを楽しんだりする事も可能です。
実際、私が手術した患者さんもまさに「第2の人生」を楽しんでいる方が
沢山います(^^

ちなみに、この手術を受けて(海外)旅行に行かれる方は、空港で金属探知機で
ひっかかります(^^; ブザーが鳴ってしまいます(鳴らない事もあるそうですが)
そこで、私は旅行に行く患者さんに頼まれて、簡単な英語での説明文を渡しています。

でも、ほとんどは膝のキズを見せるだけで問題ないようですが(^^;
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●本には載ってないような「痒いところに手が届くガイド」を心がけています。

来週も お・た・の・し・み・に~

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