ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

親指

◆おや指は「お父さん?」それとも「お母さん?」
子供にとっては「おや指」は「お父さん指」。大人にとってはまさに
「親指」ですよね。
でも医者からは「お母さん指」なんです。
わかりますか?!
医学用語では「おや指」は「母指」<拇指>(ぼし)と言います。
お父さんであって、お母さんである「おや指」。
少々ややこしいですが、大事な指である事は違いありません。
英語でも「おや指」は「Thumb」(サム)。他の4指は「Finger」(フィンガー)
と区別されている事からもわかります。

▼「おや指」の重要性
さて、先週の復習になりますが、手の基本動作は「握る」と「つまむ」です。
では、この動作において「おや指」はどのような役割をしているのでしょうか?

▼「握る」動作
さあ、まず手を握ってみて下さい。
基本的には「握る」動作の主役は第2指から5指です。たとえば、バケツの柄を
握るのもヒョイと指を曲げて引っ掛けるだけで可能ですよね。
ここでは「おや指」が関与しなくても「握る動作」は出来ます。
でも、「強く握る」動作を考えてみて下さい。例えば力士が相手のまわしに
手を掛けるとき、グッと強く握らないと力は入りません。このような動作では
「おや指」がとても大切な役割を果たします。
なぜこのような動作が可能なのでしょう。
人間の手では「おや指」は描円運動が出来るのと、他の全ての指と「対立位」
がとれるからなんです。
霊長類の中でもニホンザルなどは親指が下の方にあり、対立位がとりにくく
なっています。

▼「つまむ」動作
ものを「つまむ」動作では「おや指」と「示指」(人差し指)と「中指」
が大切です。
この動作ではそれぞれの指が「つり合い」のとれた力を出さないと上手く
出来ません。
そのために人間の手では、指先の感覚が優れており、かつ指の力を精密に
調節する機能を備えています。
ちなみに「つまむ」動作は人間のほかではゴリラやチンパンジーでも可能です。

▼「おや指」の値段?
整形外科医をしていると、不幸にも仕事中や交通事故などで指に障害を
持ってしまうケースに遭遇します。
このような場合、災害補償保険や後遺症診断などの手続きをしますが、
「おや指」、ついで「示指」の順に高く評価されますが、他の指は
「その他大勢」に区分になってしまいます。
それだけ「おや指」は大切な「偉大」な指なのです。

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さあ、いかがでしたか?
さりげなく毎日使っている指。とくに「おや指」は大切な指だったのです。
さて、来週は「手のひら」と「手の甲」の違いについてガイドします。
さあ、皆さん!それぞれの皮膚をつまんで見て下さい!
手のひらと甲は違いますよね。その「なぞと役割」に迫ります!

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