ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

野球肘その2

投球動作は5つの動作からなるることをガイドしました。その動作によって
肘に掛かる負担は違っているんです。ここでは、負担のかかる3つの動作に
ついてガイドしましょう!

▼コッキング期 →ボールを持って肩が最大に開き、後ろにいく時期
(まさに出前持ち状態)
この動作では肘の内側の筋肉や腱が引き伸ばされるので、内側に負担が
かかります。

▼加速期 →ボールを投げ始めてからボールを手放すまでの動作
ここでは、肘が外に開くような力が加わるので、内側への負担がさらに強く
かかります。一方、外側の骨や軟骨には、圧迫力や回旋力が加わってきます。

▼リリース期 →ボールが手から離れ、腕の動きが急に減速していく時期
特に、加速期からリリース期の直前にかけては、肘の後部の筋肉や腱は
完全に伸ばされた上体から一転して筋肉が縮む状態になるので、肘の
後方に負担がかかります。

さて、これら一連の動作の障害を部位別にガイドしてみますね。

▼肘の内側部の障害
内側では牽引(けんいん)力や張力が繰り返されますので、内側の腱鞘炎
や骨端核(こったんかく)異常、骨端線離開(こったんせん りかい)
→別名:リトルリーガー肘  などが生じます。

▼肘の外側部の障害
外側では圧迫力や回旋力が繰り返しかかります。そのため、橈骨(とうこつ)
と上腕骨の一部が衝突して血行障害が起こります。そして、離断性骨軟骨炎
(りだんせい こつなんこつえん)や関節内遊離体(ゆうりたい)が発生して
しまいます。
*関節内遊離体 「関節ねずみ」とも言われています。

▼肘の後側部の障害
リリース期からフォロースルー期にかけては肘が伸ばされるため、後方に
牽引力や張力が加わり、上腕三頭筋腱炎(じょうわん さんとうきん けんえん)
や骨端線離開などが起ります。
*上腕三頭筋 肘を伸ばす筋肉です。

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チョッと専門的でしたね。野球肘は奥が深く、これでもかなり絞りに絞って
ガイドしたつもりです(苦笑)。
1球ボールを投げるだけでも、肘の内外側や後側に負担がかかるんです。
それが何十、何百球と繰り返し負担がかかると、未発達の子供の肘は悲鳴を
あげてしまいます。
子供の障害は時に人生に大きな影響を与える事があります。
お子さんや友人に野球肘で困ったおられる方がいましたら、整形外科の受診を
薦めて下さいね。
今週から高校野球の春の選抜大会が開催されますよね。怪我をしている選手も
少なくないと思います。少しでも良いコンディションで臨んで欲しいものです。
さて、来週は野球肘の治療についてガイドしましょう。
どんな治療が一般的に行われているのでしょうか?
(2005/3/21)

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