ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

上腕の神経 その2

みなさん、こんにちは!
いつも読んで頂きありがとうございます。
今週からお読みになった皆様。はじめまして!フーです。
先週の推理小説バージョン。なかなか好評でした(嬉)。どうしても内容が
専門的になってしまいますので、これからもあの手この手を使って、少しでも
わかりやすくガイドしていきたいと思っています。
宜しくお願い致します。
さあ、今週も推理小説バージョンでお届けします。

(先週のあらすじ)→ http://www.kitokito.cc/merumaga0033.html
モンローにフラレ、自暴自棄になりやけ酒で泥酔してしまったゴロー。
起きてみると、彼の右手はブラリと垂れ下がったまま。手の甲はしびれ、
指は伸びません。
ゴローに一体何が起こったのでしょうか?

▼証言
H:(ホテルマン)彼はバーのカウンターで泥酔していました。腕を下にして。
その他には特に変わった事はなかったですね。ずっと一人でしたよ。

▼事実
1.ゴローは泥酔するほどお酒を飲んだ。
2.誰も接触をしていない。
3.眼を覚ましたときには、右手が動かない。

▼ゴローに一体何が起こったのか?  
犯人がいるのか?
その真相は?

————
♪ Thinking Time!
スィンキング ターイム! 
————♪

▼推理  
まず、ゴローの症状をよく考えてみましょう。

・どこが麻痺しているのか?
・しびれている場所はどこなのか?
これが重要なポイントになります。

ゴローの手首はブラリと垂れ下がったまま。そして指は伸びない。
つまり、手首をそらしたり、指を伸ばしたり出来ない状態です。
そして、手の甲を中心に痺れが出ていますね。診察すると手の甲から
肘のあたりまでしびれているようです。
これで、整形外科医はどの神経に障害が起こっているのか判断します。

▼真相解明
実は、上肢には手首や指を伸ばす筋肉を動かす神経があります。
それが「橈骨(とうこつ)神経」です。難しい字ですね。
この神経は上腕の後ろを通って、前腕の前の方を走行しています。
ですから、ゴローは泥酔して自分の腕を下にして寝入ってしまったために
圧迫され続け、橈骨(とうこつ)神経が麻痺してしまったのです。
これをニックネームで「土曜の夜麻痺」などといいます。また、別名で
「睡眠麻痺」ともいわれます。  何だか情景が浮かんできませんか?
この麻痺(まひ)も数週間で回復しますので心配は要りません。
ただ、外科医としては致命的なミスですよね(苦笑)。

▼医者にとっての推理と検証
先週、今週と2回にわたり「推理小説バージョン」でお届けしました。
実は、これにはふかーい理由があったのです。
我々医者は毎日このような推理を行っています。

まず、患者さんの訴え(←これが証言になります)を聞きます。そして
眼で見て、触って、(←検証)さらに検査をして所見(←証拠)をとります。
そして診断(←犯人)を下すのです。
こうやって考えますと、推理と検証の毎日なのですね。
みなさんにもわかって頂きたかったのです。

少しでも、証言を聞き逃したり、検証を怠りますと証拠はとれず、犯人を取り
損ねる結果となってしまいます。
医者はいかに話を聞いて、しっかりと診ることが大切であることがわかります。
私も再認識しながらこの文を書いています。はい。

さて、推理小説バージョンはこれにて終了です。
また機会があれば書いてみますね。
あっというまに上腕の尾根を滑走しました。
次週から肘の広場をガイドします。ここにも穴場が沢山ありますよ。
お・た・の・し・みに!

—————– <注意、免責事項について> ———————
■医療相談は行っていません。治療中の方は主治医の方にご相談下さい。
■記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。

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