ランナーのためのランニング障害SOS

まつだ整形外科クリニック

肩の脱臼

さて、神秘の森。五十肩を過ぎるとそこには天候不順で名高い名所。
「不安定な肩の森」に入ってきます。
さあ、今週は「肩関節の脱臼」についてガイドします。
雨具に帽子、長靴の準備はよいですか?(なんのこっちゃ?)

◆肩関節の構造
まずは、復習です。
肩関節は球関節(きゅう かんせつ)です。そうそう、「おわん」と
「ボール」をイメージして下さいね。
受け皿になるのが「おわん」(肩では肩甲骨)。上腕骨の骨頭(こっとう)
が「ボール」です。

では、この「おわん」が浅ければどうなるでしょう?
そう。「ボール」は転がって「おわん」の外に飛び出てしまいますよね。
「自由」かつ「不安定」なのです。(←誰かの人生のようです(笑))

◆自由の代償 → 「脱臼しやすい宿命」
肩関節は「自由」という大きなメリットを得ましたが、その代償として
「脱臼しやすい宿命」を持っているのです。
なぜ、そこまでして「自由」な動きを求めたのでしょうか?

そう! 必要に迫られたから。
人間が四足動物から進化していく上で、まず手の動きが進化し、精巧になり 
ました。
この手を頭の上から背中まで動かす必要があったんです。
そのため、肩関節には大きな「自由」が不可欠だった訳です。

◆スノーボードとの関係?
この時期、一番の楽しみといえば「スノーボード!」なんて方も多いで
しょうね。若者の圧倒的な支持を得たうえ、最近ではスキー一筋だった
中高年のおじ様も夢中になっている方が増えているようです。
一方、スキー場の近くでの勤務経験のある整形外科医(私もそうでした)
にとっては「多忙を極めるシーズン到来」なんです。
連日、スキー・スノーボード外傷の対応に追われます。
中でも、スノーボード外傷の特徴は「上肢(じょうし)」の骨折や脱臼
です。(一方、スキーは下肢が多いのが特徴です)

そうなんです。スノーボード中に腕を後ろに付いてドーンと転倒。。。
気をつけましょう!
*スキー・スノーボード外傷については別の機会に詳しくガイドしますね。

◆外傷性(がいしょうせい)肩関節脱臼(かたかんせつ だっきゅう)
そもそもここでの脱臼とは、「おわん」から「ボール」がはずれる。
ですから、「肩甲骨」から「上腕骨の骨頭(こっとう)」がはずれること
を意味してます。そして、何らかの外力が原因となるとき、外傷性
肩関節脱臼といいます。

多いパターンはこれ!
歩行中、あるいはスポーツなどで、バランスを崩して後ろに手を付いて
転ぶ。→ 凍結時の道路では要注意!です。
すると、「おわん」の縁の軟骨(なんこつ)が剥がれたり、「ボール」
(骨頭)を支えていた靭帯(じんたい)が切れたりして前の方に脱臼して
しまうことがあります。 

「は、はずれた!」「肩が動かない!」なんて場合はすぐに整形外科を
受診して下さいね。
骨折を伴っていることもありますので、自己判断で動かさないように
しましょう。

◆さて、天候不順の不安定な森。今週のガイドはここまでとしましょう。
次週は晴れ間をみて、さらに奥地まで進みましょう!
一度脱臼すると「クセ」になるのでしょうか? 
脱臼はすぐ戻る?
つづきは来週!
お・た・の・し・みに!

◆おしらせ!
多くの方からガイド要請を頂いております(感謝)。ただ、この散歩道は
みなさんに少しでもわかりやすいように、コースを設定しています。
今後のガイドコースの予定は
肩の森→上腕を滑り→肘の林を抜け→前腕・手関節→繊細な指
→骨盤・股関節から下肢にかけて  
を予定してます。ながーい付き合いお願いしますね。

<注意、免責事項について>
■医療相談は行っていません。治療中の方は主治医の方にご相談下さい。
■記載内容を利用して生じた結果については、当方では責任は取れません。

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